ありさ  闘病生活



ありさが突然手術を受ける事になり、初めはそんな事は
全く考えなかったのですが、手術を無事終え日に日に元
気になっていく姿を見るようになり落ち着いたので、体験
として日記に残しておこうと書き始めました。




2007年 7月19日(木)

その日は突然やって来た。深夜お気楽とパパの間でくつろいでいたありさ。いつもの様にへそ天で
ゴロゴロ撫で撫で.....すると、何だか手に当る感触が....?
ふと思って白く薄い毛を掻き分け乳房の横を見てみると ボコッと塊が紫色に変色していた。

「えっ.....」
お気楽の顔がこわばる。その理由はその数日前に聞いた話に起因している。
ボビーとありさのお友達に「さくらちゃんと奈々子ちゃん」と言う親子のコーギーが居た。そのさくらち
ゃんと奈々子ちゃんは最近立て続けに 癌 を患い虹の橋を渡って逝ってしまったのである。
その闘病生活を聞いていただけに、ボビーやありさにはそんな悲しい事が起こりません様に....
と心の中で神様にお祈りしていた矢先だったからだ。
お気楽は早速次の日に病院へ連れて行くとパパに言ったのである。

7月20日(金)


午前中、ありさを連れて近所の動物病院へ。
診察してもらうと 「腫瘍だね」と言われた。「涼しくなってから取りますか」と先生に言われる。

だけど、お気楽はここで躊躇してしまった。
「先生、涼しくなるまでこのままにしておいて 腫瘍が大きくなるとか 悪性の可能性とかはないん
ですか?.........先日お友達が相次いで亡くなったので心配なんです....。」

先生と看護婦さんは顔を見合わせて.... それじゃ、すぐに切りますか?今からなら来週の火曜日に
手術できますけど。」
と言われた。

実際、腫瘍の一部を針で取って観察し、問題ないので秋にしませんか?と言われればわざわざ
こんな時期にしなくても先生の言うとおり秋まで待てたかもしれない。
だけど、目視でいきなり涼しくなってからと言われても......気持ちが安心する事はないのだ。

先生にしてみれば、こんな梅雨の真っ只中お腹を切れば、患部が化膿してありさが大変だと思った
のだと思うのです。だけど先のお友達の話を聞いてしまったお気楽は、そんな呑気な事は言ってい
られないのが本当の所。例えば患部が化膿したとしても対処の仕様もあるだろうけど、もし悪性で
待っている間に広がっていったら......と考えると。お気楽はぞっとしました。
.....なので結果強引に手術を早めてもらう形になったのです。

診察の結果は 左上の乳房に一つと右下乳房の横の計2つ。言われて触ってみると上のしこりは
言われて気づく位のものでした。それこそ、ちびっとした物が当るね...程度。指摘されないと判らな
いのです。

そして、避妊手術をしていないありさは患部だけを切り取っても又出来てしまうとの事で一緒に避妊
手術も受ける事を薦められました。お気楽もありさに痛い思いをさせるのは一度でいいとすぐに了承
したのです。

7月22日(日)


ありさは見た目にはすこぶる元気で、一見そんな問題を抱えているようには見えません。散歩に行
くと言えばおしりを振り振り先を歩き、文句があると言えばボビーに喧嘩をしかけ、いつもの女王様
振りを発揮!何だか今の現状が嘘のようです......嘘だったら良かったのに....

本当なら海へでも連れて行って泳がせる日曜日も、流石に手術前と言う事もあり体力温存の為に
今が見頃の蓮の花を見に出かけました。流石に休耕田を利用しているのでボビーとありさを遊ばせ
る事は出来ず、車の中でお留守番。流石にそれは可哀相なのでそこから近い真野の竹田ダムで
遊ばせる事にした。


7月23日(月)


いよいよ明日手術と言う事で午後8時までに食事を取らせ、以降は水くらい。
手術を即決した割には、この日を迎えるまでいろいろと考えてしまった。今年は入梅が遅く、7月末
の今頃になっても梅雨が明けていない。部屋でじっとしていても汗が滲む程でムッとした空気が充
満しているのだ。....先生が言うとおり涼しくなってからを待つ方がありさには良かったのか...?
術後傷が化膿してジュクジュクしたら....可哀相だなぁ。何にしてもこんな小さい体にメスを入れる事
。麻酔に耐えられるだろうか.....考えればキリがない。それでも早かれ遅かれその時はやってくる。
もう決めたんだ! そう気持ちを切り替える。ありさは何も知らず眠っている。


7月24日(火)


とうとう来てしまった。手術当日だ。今日は午前中の内にありさを病院へ連れて行く事になっている
。手術は午後なのだ。気持ちは既に決まっているのに腰を上げる気がしない。まったく我ながらへ
っぴりである。朝もう一度お腹を見てみる。色が変わっているところは余り代わり映えしていないが
もう一つ小さい方が、なんだか最初より大きくなっている気がした。アレから数日しか経っていない
のに....。驚きだ。やっぱり早いに超した事はないのかも....。

重い腰を上げ病院へ向かう。10時半頃だ。
病院に着くと事務的にありさは脇に抱えられ診察室の奥へと連れて行かれてしまった。1泊で帰る
事が出来るらしい。

ありさは生まれてこの方、私達から離れてお泊りなんかした事がない。ここ2年くらいは夜鳴きに悩
まされる事も度々.....。なのに今回は誰も付き添いなしで、術後の痛みに耐えながら一晩を過ごすの
だ。大丈夫なんだろうか.....?この病院は手術の間立ち会うなんて事は出来ないので後ろ髪を引か
れながら家へ帰ったのである。


7月25日(水)


ありさの居ない日は凄く寂しい.....。そんな時でもちょっと面白かったのがボビーの態度である。
日頃ありさに良いトコどりされているボビーは、昨日お気楽と出て行ってからありさが居ない事に
あまり感心がないらしく、ありさを探す事もしない。ただありさの気配を全く感じないので、ここぞと
ばかりにお気楽を独り占めしているのだ。朝から頭を撫でろと大変だ。横になると添い寝をしてくる。
この蒸し暑いのにぴったりと寄り添い、今だけの至福の時を堪能しているわけである。ボビーはあり
さがとっても怖いらしく、部屋にいる時はありさのご機嫌を伺い、耐え切れなくなると部屋を出て行く
のである。なのに、今日は朝から部屋を出ようとさえしない。私が部屋から出ると後ろを付いて回り
まるでありさから仕事を引き継いでいるようにさえ思える....笑。

そんな日も今日の午後にはまたいつもの日々が始まるのだ。


そんな感じで朝から大忙しで仕事を済ませ、首を長くして待っているありさを11時前に迎えに行く。
病院に着き玄関を入ると、先生が体験学習に来ている高校生にありさを連れてくるように指示した
(おいおい、大丈夫なのかよ?...心の声)
暫くすると奥からてくてく何事もなかったように歩いてくるありさ。お気楽の顔を見つけるとなんだか
神妙な面持ちで近づいてくる。
「ありさ、大丈夫か?お母さん迎えに来たよ〜。お家へ帰ろうね」と頭を撫でてあげる。何にも言わ
ないありさ。ただ黙ってお気楽に抱かれる。座布団を敷いたバリケンに入れてあげると支払いを済
ましてお礼を言い家へ帰った。

ちょっとびっくりしたのが、お腹を回復手術しているわけで、傷もあちこちに飛んでいるわけで....
なのに患部を覆うものが何もなく、裸で渡されてもね〜。エプロンくらいは付けてくれるのかと思った
けど、経費削減なんだろうか?以前避妊手術した子はエプロン付けてくれたそうなんだけど...これも
梅雨時期の患部が化膿しない為の処置なんだろうか???? と思いながら家路に着きました。

御飯も散歩も普段どおりでいいと言うのですが?本当に?コーギーは足が短くてもお腹が地面に
着くなんて事はないけど、この時期草丈が長いし、歩いてお腹を汚す事が普通。だけど、汚れ避け
の毛も剃られてしまって真っ裸。傷は丸出しなんだから散歩困るじゃん!

慌てて近所の子供洋品店へキャミを買いに走る。帰ってきてから車を出すとありさが暴れる事を予
想して自転車だったり徒歩だったり。気を使ってます。可愛い娘の為だしね...。
120のタンクトップを2枚購入しました。夏物も終盤なので安売りしててラッキー♪
とりあえず着せてあげたらジャストサイズでお腹も隠れホッとしました。
退院してきたばっかりなので ハウスで寝ていてもらいました。ありさも痛みから元気がなくしょんぼ
りムード。疲れているようなので文句も言わずハウスで大人しいです。




7月25日(水) 夜


帰宅してから喉が凄く乾いていた様子で、水をがぶ飲み。多分麻酔が切れてから点滴で水も飲んで
居なかったのか?飲み過ぎで見事リバース! 怒れないわな〜f(^_^; ポリポリ
可哀相に、大丈夫か?と声を掛けながら、気づいてやれなくてm(_ _)mよと謝ったのです。
それからは 様子を見ながら少しずつ こまめに水を与えました。

夕飯の時間になってちょっと考えた。いきなり沢山与えてもねぇ。家は夕飯一食なのでありさには
暫く一日2回に分けて与えようと半分の量を出してあげました。だけどやっぱり痛いのか3粒食べた
だけで夕飯終わり。ただただ水を飲むのみなのです。

この日は一日2回の化膿止めを飲み就寝。ありさお疲れ様〜。


7月26日(木)

朝起きて、ありさを抱っこして外へ。オシッコしてごらん...と放してあげたら、その場へ座り込みました。
やっぱり、痛くて辛いんだろうなぁ〜と思いながらも、オシッコをしてくれなくては困ります。ありさを励まし
ながらとりあえずオシッコをさせ、また抱っこして家へ戻りました。元気もまだ出ないようで(そりゃそうだろ
う)パパが仕事に出る時はいつも「置いて行かないで〜(┳◇┳)」と大変なのに、今朝は静かに見送りま
した。
ありさは退院の時に化膿止めを出されたのですが、カプセルで2錠。普通サイズなんだけど今のありさには
大変な大きさらしく、いつもならパンに挟んで与えるのですが、カプセルだけ吐き出すので仕方なく牛乳に
溶かして与えています。牛乳もあんまりお腹によくないので必要最低限だけ。でもやっぱり薬の味がする
のか初めはなかなか飲まずに大変でした。

昨夜御飯を食べなかったので、朝与えてみたらお腹が空いていたらしくやっと食べてくれました。ちょっと
ホッとしたけれど、術後なのでちゃんとウンチが出てくれるかが心配。結局この日はウンチ無しでした。

夜の薬も夕飯もちゃんと食べてくれ、オシッコも庭まで抱いて出れば、そこでしてくれました。


7月27日(金)

術後4日目。朝散歩をさせてみようとリードを付け歩かせてみた。何だか少し元気が出てきたみたいで
凄くゆっくりだがテクテク歩いていく。家から40Mくらいだろうか?家の敷地をちょっと出た所でありさは
止まった。
「どうしたの?もう歩けないの?」と聞くとペタァ〜っと座り込み。(あいやぁ〜「(≧ロ≦) )という事で家へ
逆戻り。無理はさせませんよ、ハイハイ。
それでもちょっと散歩してみようと思ってくれただけ嬉しかったのでよしとするわよ。

あ〜!でもその時にちょっとだけですが術後初のウンチをしてくれたので「ヤッター!」と大喜び☆
これで腸が普通に機能してくれていることが解り安心です。

午後の散歩も朝の分に20Mくらい増えただけで終わりました。無理は禁物。
食欲は普通に戻ったみたいなので明日から普通に戻そうかと決めました。

7月28日(土)



術後5日目。今日はお天気も良く朝からありさがノリノリだったので散歩へGO!調子が良いのかズンズン
歩いていきます。昨日の躊躇はどこへやら.... 今日はドンドン歩くのでちょっと怖くなり(帰り歩かなくなった
ら抱っこして帰宅なので)ある程度の所で帰ろうとありさに言ってみた.....拒否された_| ̄|○
「ありさ帰るよ!」と家へ向かって歩こうとしたら体全体で抵抗!(おいや!)仕方がないので「ボビーが待
ってるよ」とか「パパ帰ってきたかなぁ?」(実際仕事に行ったばかりだからそんなはずない)と言ってみて
もガンとして動かず(┳◇┳) 仕方がないので抱っこして少し戻ってみる。10Mくらいで重いので降ろして
歩かせようとしたら拒否。仕方がないのでまた抱っこして歩き出す。もう家が見えるところまで来たところで
観念したのかテクテクと一人で歩き始めた(ホッ)

散歩し始めたのは嬉しいけど......頼むよ_| ̄|○
この日の午後の散歩は出かけようとした所でパパが帰宅。ちょっと歩いて出たのにパパを追いかけて帰り
そこから動かなくなった。仕方がないのでパパにも一緒に歩いてもらって散歩を終えた。(姫の機嫌を取る
のも大変である)

本日も薬・食事もちゃんと食してくれました^^


7月29日(日)

術後6日目。今日はありさを連れて選挙の投票に行って来ました。天気の良い日の散歩はお腹も汚れない
ので一安心。テクテク歩いていく途中、そっちへ行くのは嫌だ!と駄々を捏ねられましたが、今日は目的が
あるのでありさには頑張ってもらいました。投票をしている間、投票所の柱に繋がれ静に待っていたので
ちょっとホッとしました。(やれば出来るじゃん!)でも帰りに自分も投票をするとぐるぐる廻って投票所に戻
ろうとしたのには困りました。

何とか家へ帰り午前中は部屋でだら〜んとしてました。当初心配されていた傷口の化膿も薬を飲んでいる事
と、天候がラッキーにもお天気が続いている事もあるのか。とりあえずは化膿していないようなので良かった
です。昨日辺りから傷が痒くなり始めたのか、ちょっと舐めたりしますが、気が付くと止めているので何とか
大丈夫そう。抜糸は8月5日(日)なのであと1週間。何とか問題なく過ぎて欲しいと祈っています。


7月30日(月)

術後7日目。闘病生活にも慣れてきたのか、ありさもお気楽も弛み気味。それでも散歩には欠かさず行く(あ
たりまえだけど....)

術前に問題の箇所を写真に撮ると言う事が気持ちの上で出来なかった。記録として撮っておくと言う事も
出来たのだけど、気持ちがどうしてもそうさせなかった。なので腫瘍の写真はないのです。
けれども、人間「喉下過ぎれば熱さ忘れる」で術後の傷の写真は何となく記録として残そうと撮ってみる。



痛々しい。抜糸前なのでまだ糸がついてますが...傷は結構綺麗な方では?

7月31日(火)

5箇所切った傷の内、下腹部の傷一つだけが、何だか膿んだ様なので病院へ連れて行く。やっぱり化膿だ。
どうしてもその部分は脂肪が付いている関係で膿むらしい。化膿止めと抗生物質をもらって帰る。5日に抜糸
の予定なので間に合うか心配。


8月1日(水)

本日梅雨明け。確かに明けたらしく朝からいきなり猛暑。只でさえロン毛なのに、傷が当るといけないとずっ
と服を着せている。猛暑だけど仕方がない。ありさガンバレ!ゴールはもうすぐ!



......のお気楽の声に↑この寝相.....あんたは大したもんです。傷もあまりつらなくなって来たのだろうか?

8月2日(木)

昨日に続き猛暑続行!蝉の声がやたらにでかい!その声だけでうだってくるので勘弁してくれ。
当のありさは、お気楽が家に居る時はずっと側を離れず、買い物で留守にする時は特大ゲージに入れられ
帰りを待つのであります。
我が家は常に家に人が居ますが、ありさは結構ボビーに喧嘩を売るので、傷口が開いたら大変!と言う事
で、強制的にゲージに入れられます。その方が何かと安心。ゲージも部屋の外の風通しの良い”おいえ”に
あるので、返って涼しいかも....

大概へそ天で帰りを待っています。(しかし、おっぴろげだよ、あんた....(* ̄▽ ̄;)ゲゲッ・・))


8月5日(日)

3・4日と別に変わった事もなく過ぎたので日誌もなしです。
とうとう、本日抜糸の日を無事迎えることが出来ました。日曜日という事でパパにも手伝ってもらい病院へ。

病院に着くと沢山の患者さんが順番を待っていました。お気楽もとりあえず並んで、番が近づいた所でパパ
とぼびありを院内へ....

まずはボビーのフィラリア接種。そしてありさのフィラリア接種の後抜糸をしてもらいました。ありさはやっぱり
結構懲りているのか、病院内へ入ったとたんブルブルと震えだしソワソワ。抱っこしているお気楽を踏み越え
何処かへ逃げようと....ま、逃げられる訳はありませんがね。
パパとお気楽と先生と看護士さん、4人に抑えられ観念したのか、特に暴れる様子もなく大人しく抜糸されて
居ました。(偉い!)

   

抜糸された後はかさぶたでちょっと痛々しいですが、後は様子を見てとの事なので、暫くは病院から遠のく
と思われます。

 : 後記 :

今回、偶然にも腫瘍を発見出来た事により、突然でしたがありさが手術を受ける事になり、びっくりしたり、
考えさせられたり 色々ありましたが、やっぱり私たち家族にとってボビーやありさがどれだけの存在で
あるかを再確認させられました。日々暮らしている中でおざなりになっている部分がたくさんある事に気づか
され、改めなければと思うこともありました。

この後は何とか再発をしない事を願い、日々観察を続けていく事を感じました。

最後になりましたが、ここまでお付き合い下さり有難う御座いました。
この日誌は今日で終わりますが、ボビありの日々はブログにて書いていきたいと思っていますので
宜しくお願い致します。

また、励ましのメールや掲示板での書き込みなど、本当に有難う御座いました。


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